[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
寿也には、時折こうして『彼』の存在を感じる事がある。
かつて、それはグランドの土の香りや、使い込まれた皮の手触りを通じて蘇る事もあったが。
tarantella 2
つづきはこちら
背中を冷たい汗が伝っていった。
薄闇の中で、寄せられた肩胛骨の下に藍色の影が一際くっきりと見える。
ゆっくりと舌をはわせると、微かな塩の味。この年頃の男にしては薄い体臭。
張り詰めた背中の筋肉は、素直に美しいと思えた―――
tarantella