04.22.13:58
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12.31.18:29
皆様ありがとうございました!
サイトを初めて約2ヶ月、ブログから数えると約3ヶ月。短い間でしたが、本当に色々な事があり、色々な方にお世話になりました!皆様ありがとうございました!来年も宜しく御願い致します~。良いお寿をお迎え下さい(笑)。
そして何故か、眉誕の続きを・・・。
「眉村、熱い・・・」
「熱いな・・・」
奇しくも同じタイミングで、同じ音が零れて、眉村のいつもより広がった瞳の中に自分が大きく映り込んでいるのが見える。
「お前のそんな顔、・・・見んの久しぶりだな・・・」
律動を止めた眉村に、まじまじと見つめられて何だか居心地が悪い。それでなくても今の状況は余裕なんて物が少しも無いのだ。
『・・・茂野』と小さく呼ぶ声がして、眉村の肩が揺れる。それは吾郎に快楽を与えるための動きではなかったが、張り詰めて、弾けそうな身体には充分すぎる程刺激的だ。
「あっ、くっ・・・ん」
急いで歯を食いしばったところで、唇から漏れた嬌声は元には戻らない。そんな自分を見つめる眉村の目が微かに細くなり、宿る光が和らぐ。その顔を見ると、身体のどこかに残っていた緊張がふわっと溶けて体温が上昇し始める。
(どうしようもない位、優しい。)
無愛想で、無口で、感情に乏しい様に思われているが。実際の眉村は驚くほど優しかった。ただ、それを上手く見せる術を持たないというだけで。
たまにしか、そんな優しい顔を見せないくせに、その優しさを知ってしまえば後は囚われるしかない。
「眉村・・・。まゆ・・・む・・・らぁ」
肩に置いていた手を、背中に滑らせてきつく抱きついた。肩口に顔を埋めて、硬く鍛え上げられたそこに軽く歯を当てる。くすぐったかったのか、眉村の口からくぐもるような声が零れて肩が震えた。そんな動きさえ神経が敏感に拾って、内壁がきゅうと締まるのが判る。
「くっ・・・」
眉村の眉間に皺が寄って表情が強ばった。
試合でも、日常生活でもありえない位に近くにある顔の秀麗さはそんな事位では崩れないが。めったに見られない確率は、先程の優しい笑顔と並んでいる。この表情を見て、喜んでいる自分に気がついたのはいつの事だろうか。
『・・・・・・』
吾郎は急に、『何か』を眉村に伝えたいと思った。
けれど唇を開いても、言葉は音にならず微かな溜め息だけが漏れる。
(俺は・・・何を言うつもりだった・・・?)
これは『愛しい』という言葉とはどこか違う気がする。もっと曖昧で、そのくせに激しさを持った関係。
それを何と呼べばいいか、自分は知らない。
□□□
【side M】
僅かに開いた唇から、ちろりと小さな舌の先が覗いた。鮮紅色のそれは、ひどく扇情的で自分が吾郎に誘われているかのような錯覚を起こさせる。吸い寄せられるように顔を近づけ名前を呼ぶ。
「茂野・・・」
身体を繋げたままに、手のひらを吾郎の頬に寄せると、焦点を失いかけていた吾郎の瞳に光りが戻った。
「・・・・・・」
口元の微かな動きでは、彼が何を言っているかまでは判らなかったが。いつもなら、たいして気にも留めない事が、引っかかったのは何かの知らせだったのかもしれない。
締め付ける内壁の動きに反射的に突き上げそうになるのを止めて、吾郎の顔を両手で挟むようにして見つめた。
「どうした・・・?」
「・・・なんで」
なんで、眉村はそんな事を聞くんだ?と、不思議そうに聞き返されても。なんとなく、としか答えられなかった。行為の最中に気にするような事でなかったかもしれない、でも今聞かなければいけない気がしたのだ。
「お前、何を考えている?」
「・・・・・・別に」
問いつめたように聞こえてしまわないか、ちらりと不安がよぎったが止められない。ぷいと背けられた顔に苛立ちが募り、無理矢理に自分を向かせたところで、吾郎の視線は目の前でない何処かを見つめていた。
(また、行ってしまうのか?お前は・・・)
「茂野・・・答えてくれ・・・」
強引な動きとは裏腹に、乾いた喉からは絞り出すような声しか出せない。マウンドに立つ直前のような目眩がして、手のひらの中の吾郎の存在さえもあやふやになる。
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