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MAJORを愛するあまりのテキストブログ。気儘に更新。当然のように女性向け。                      苦手な方はplease back! 自衛推奨派です。

04.22.05:19

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01.04.18:08

眉誕(続き)。まだ終わりません・・・何故?(涙)

ええ、眉誕で書き始めたお話がまだ終わりません・・・。なんでなんだろう・・・。もっと明るく馬鹿エロに書けば良かったな(涙)。そうすれば、今頃きっと終わってた・・・。



「茂野・・・答えてくれ・・・」

 

強引な動きとは裏腹に、乾いた喉からは絞り出すような声しか出せない。マウンドに立つ直前のような目眩がして、手のひらの中の吾郎の存在さえもあやふやになる。

 

押さえる事が出来ずに零れた言葉は、きっと吾郎の耳には届かない。零れた言葉の欠片だけが、乾いた部屋の空気の中で小さく消えていった。



□□□

 

 

「あ・・・」

微かに唇が開き、息が漏れる。

ゆっくりと目蓋を押し上げると、人工的に白い光が眩しくて、吾郎は目元を擦った。どれ位の時間か解らないが、すっかり寝入ってしまっていたようだ。

「まいったな・・・。おい、眉村。今、何時だ?って、え!?」

しかし、呟きながら外に視線を向けると。窓の外にビルの照明が黄色く連なるのが見えて、吾郎は眉村の答えを待たずに、慌てて起きあがろうとした。

「おい。待て、茂野!」

「ちょっと。待てって・・・、何だよ」

ベッドから降りようとした吾郎の身体を、眉村が後ろから抱き込んだ。

 

「茂野、聞きたい事がある」

 

 

□□□

 

 

首筋に触れる眉村の硬い髪の感触がくすぐったくて、悲鳴をこらえるのも一苦労だ。ちくちくとした刺激から顔を背けつつ、後ろを振り返ろうとしたが、肩口に押しつけられた顔は殆ど見えなかった。


「いったい、何を聞きたいって言うんだよ・・・」

行為後の脱力感から、どこか投げやりな口調になってしまうのは大目に見て欲しい。だが、そんな吾郎の態度も、今日の眉村は大して気にした様子はなかった。それが鷹揚さから来るものではない事に、この時の吾郎は気づきもしなかったが―――

 

 

吾郎とは別の角度だが、眉村も回りくどい表現は使わない。

「お前、いったい米国(向こう)で何があった?」

オフシーズンに入ったとはいえ、事前の連絡も無しに冬空の下。吾郎が現れた事のおかしさを、眉村も気づいたようだった。

問題の核心をつく直球に、吾郎も一瞬怯んだが。答える事を了承した手前、これ以上黙っている事は出来ない。

「解った・・・」

「じゃあ、言ってみろ」

 

 

結局、吾郎は歯切れも悪く、投手としての自分の状態が良くない事や、澱のように溜まった不安を説明した。

「だから、急に帰ってきたには、そういう理由(こと)なんだよ」

「・・・・・・」

「何か言えよ、お前。俺はちゃんと答えたからな」

「・・・本当に、それだけか?」

「それだけか、って。まだ何かあるっていうのかよ?」

これ以上、格好悪い事言わせるなよな!まぁ仇敵のお前にこんな事、愚痴ってる時点で終わりかもしれないけど・・・。若干の照れを含んだ言葉にも、眉村の疑問は弛まなかった。

 

「佐藤には言っていないのか?」

「は?なんで、そこで寿が出てくるんだよ?」

それこそ心外だという様子で、吾郎は自分に身体に回された眉村の腕に齧り付く。白い歯が離れると、そこには微かに朱い痕が残り、眉村の肩がびくりと揺れた。

 

「今まで、こういう時はいつも佐藤に相談していただろ」

 

 

(それで、いつも俺の前では何もない風な顔をしていた。)

 

 

「別に・・・いつもって訳じゃねぇよ」

「じゃあ、なんでだ?今回に限って、何を考えている?」

 

 

□□□

 

 

「あー、くっそー、面倒臭せぇな」

頭をがしがしと掻きむしりながら吾郎は呻いた。

 

「俺が、こういう事に向いていないって判っているだろ」

「・・・それでも、説明しろ」

俺が納得するまで離してやる気なんてない。吾郎の胸元でがっしりと組まれた腕はそれを語っていた。

 

「どうしても、か?」

「どうしても、だ」

 

押し問答のような短いやり取りの末、結局、吾郎は説明せざるを得なくなる。そうして、軽く息を吐いて呼吸を整えると、吾郎は話し始めた。

 

「『寿』と『俺』は同じモンなんだよ」

「は?」

「だから、・・・俺たちは『同じ』なんだよ」

「何を言ってるんだ、お前は?」

眉村が全く納得していない事は、憮然とした表情と口調が語っている。対する吾郎も、『やはり納得しなかったか』と、半ば諦め気味の溜め息をついた。

 

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